大阪は高槻で柔らかい焼肉を日々研究する精肉店の話

肉屋・焼肉屋も機械化が進むにつれて・・・



人員不足により、機械化を導入する企業が増える昨今


こんにちは。大阪は高槻でA5ランク黒毛和牛をメインに、自家製ハンバーグや手作りコロッケ、芳醇な香りのローストビーフなどを販売する、本格精肉店のオーナーを勤めておりますフナさんです。

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最近の食肉業界、飲食業界が抱える大きな悩みの一つに

「人材不足」というテーマが存在します。

まぁ、我々の業界だけでなく、どこの業界も人員採用に困っている時代ですが、

わたしたちの食肉業界は、専門性が高く、あまり業務の中身が知られていない分野

なので、余計に採用が難しいと言われています。

 

また、飲食業界は、低賃金に歯止めが掛かりません。

食料原価の爆発的な高騰により、人件費予算を満足に組む事ができず、

低賃金での募集をせざるを得ません。

そうなると、当然人は集まりにくく、人材不足に陥ってしまいます。

 

現場の効率化を考え、機械化が進む

 

こうなると当然、お店は自動化を図り、人手不足を補います。

最低限の提供スピードは必要ですので、人がいないのなら

機械を導入し、効率化をしなければいけません。

または、加工の半分以上を終えている材料を仕入れて、

店舗で行なう作業を簡略化するというのも効率化の一つです。

 

最近ではこういった小売店や飲食店が圧倒的に増え、

いわば、「素人でもできる店」が多くなっているのです。

 

機械化のメリット

 

機械化にする事によって、まず大きなメリットとして、

ランニングコストを抑える事ができます。

 

お店を経営していく上で、一番負担になってくる経費といえば

やっぱり【人件費】です。

機械を導入する事によって、初期投資分の経費と、年間のメンテナンス費で

済んでしまうので、毎月従業員に支払う金額に比べれば、安くつきます。

 

お金の他にメリットとしては、生産数が上げられます。

 

人に働いてもらうのには限度があります。

当然人間ですので、体力の限界や、日々の体調、自己都合など、働き続ける事は

不可能です。

ましてや昨今の、やれコンプライアンスだ、やれブラック企業だと、

働く事を最小限にする風潮が強まっている時代ですので、

余計に人を雇いにくくなっているのが会社側の現状です。

 

正直、人を雇えば雇うだけリスクが上がるという世の中の流れですので、

仕事がない!安月給だ!と主張しても仕方ない部分はあるかと思いますが・・・

 

かたや機械化、簡略化を進めると、生産性はグッと上がります。

機械を使った場合は、24時間365日フル稼働で働かせても、文句を言われません。

しかも正確さも上がりますので、安定供給などの実現も可能です。

 

簡略化とは、材料が半分以上出来上がった状態なので、

こういった商品も、元を辿れば機械生産されている事が多いのです。

 

実際大手スーパーのお肉は、ほとんどが機械で切っています。

スライス肉から焼肉、ステーキまで、お肉を機会に乗せてしまえば

あとはベルトコンベアーで自動で切断されていきます。

焼肉屋さんに納品されるブロック肉なんかも、最近こういった機械による

生産方法が増えてきました。

 

こうなれば、お肉を捌く人はいらなくなり、適度な大きさに切る人と、

ホールのスタッフが居ればお店を営業できちゃうんです。

 

いかに機械化、簡略化がわたしたちの身の周りに溢れてきたかがよくわかります。

 

機械化のデメリット

 

こんなに便利な機械化・簡略化ですが、やはりデメリットも存在します。

 

わたしたちは大きな肉の塊を仕入れます。

その仕入れをする時に頼らなければいけないのが【目利き】です。

 

お肉の塊を見た目で判断しなければならず、お肉の中までは当然見れません。

包丁を入れてからじゃないとどんなお肉なのかはわからない・・・

だから、これまでの経験と勘を頼りにする【目利き】で判断します。

しかし、実際にはお肉を切った時、

「あ~~!やられた~~!」という事も多々・・・

 

その一つに『しこり』というものがあります。

人間にも打ち身をしたときなどに筋肉が傷つき、しこりになったりしますよね。

あれは、牛も一緒なんです!

お肉を切っている時に『しこり』が出てきたらその部分は全部廃棄です。

ですが、このしこりは、機械では判断しづらいものなのです。

 

人間の目でもわかりにくいしこりはたくさんあります。

素人の方が見たら、ほとんどの方がわからないくらいです。

食肉業界の経験が浅い人もわからないって方はたくさんいます。

 

こういった『しこり』を見つけられるのは、まさに【職人】ならではです!

見た目は普通のお肉に見えますが、食べると石のように硬い!

歯が負けて折れちゃいそうなくらい硬いしこりも存在します。

 

あなたもお肉を食べている時に、骨みたいに硬い部分に当たった経験はありませんか?

一般の方は「硬いスジが入ってた!」と言いますが、

実際は硬いスジではなく、ほとんどが『しこり』なのです。

 

大きなスジは、ほとんど取り忘れる事はありません。

肉の捌き方には、肉を捌く手順などが一応ありますので、

大きなスジを引き忘れるといったミスはまず考えにくいのです。

 

なので、硬いスジみたいなところは『しこり』の場合が多いんですね。

そのしこりをしっかりと見極め、きれいに切除できるかというのが職人の腕の見せ所なのです!

 

肉屋の職人でも見つけられない人もいるくらいややこしいものですから、

機械が発見し、きれいに切除するといった技術は今のところ出てきていません(たぶん)。

 

ほかにも「あたり」や「荒目」など、職人の目で判断し、切除する部分というのはたくさんあります。

こういった『高いレベルで品質を保つ』といった事ができないんです。

「ただ単に切って形になっていればよし」という企画も無くはないのが今の市場です。

 

1/30くらいでハズレの商品が入っているけど、残りは大丈夫!みたいな。。。

これが今の機械化の限界です。

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今、注目されている『手切り』

一昔前は当たり前だった『手切り』ですが、現在は機械で切っているお店が増えました。

すき焼きやしゃぶしゃぶのお肉は、手で切るのには限界がありますから、

スライサーを使うっていうのは理解できます。

 

しかし、最近では人手不足やコストカットを理由に、

焼肉やステーキまでもが機械でカットされている事が増えてきました。

 

本来、わたしたちの仕事は、その肉質や脂質によって

厚みや切る角度、捨てる部分の取捨選択の判断などを個体別に判断して、

その肉にあったカット方法をします。

これが機械になると、全部均等の厚さにはカットできますが、

肉質によって変える事はできません。

 

お肉というものは、一つのブロックの中にも、いろいろな肉質や繊維があります。

それをその時その時に判断しながら、常に切り方を変えてあげなければ、

美味しいお肉にはなりません。

 

でも実際は、効率優先の生産現場が多く存在します。

 

お肉によって切り方を変えるといった事が、『気配り』であり『真心』。

ようするに【愛情を注ぎ込む】といった事なのではないでしょうか。

 

手切りの一番の醍醐味は、こういった【あたたかさ】

だから今、『手切り』というものが注目されるんですね。

 

 

まとめ


最近うちのお店でも、

「このお店の焼肉は手切りで切ってるんですか?」

なんていう声をちらほら聞きます。

「手切りで切っていますよ~」と答えると

「うわー珍しいー!」なんていう返答もありました。

それくらい今の時代、手切りというものが希少になりつつあるんです。

 

ハイテク技術や人工知能の発達など、一昔前のマンガにあった世界が

どんどん現実味を帯びてきています。

 

しかし、どんなハイテクな時代を描写したマンガでも、

肝となる部分はすべて『人のあたたかさ』が描かれ続けてきました。

人が最終的に求める部分というのは、やはり【人間臭いアナログな部分】なのかもしれません。

 

わたしたち肉匠牛久は、そういった『流行らない素晴らしさ』をこれからも大切に、

そして期待に応えられるようがんばってまいります!

 

あなたのお肉ライフがより良いものになる事を願っております。

 

フナさんでした!

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