大阪は高槻で柔らかい焼肉を日々研究する精肉店の話

日本人が「和牛」を食べられないという時代


 

こんにちは。

大阪は高槻で、今となっては珍しい竹の皮で包んだ和牛を販売する

『肉匠牛久』という精肉店を営んでおります、オーナーのフナさんです。

あなたは最近「和牛」を食べましたか??

こう聞かれて、

「最近全然食べてない」

「そもそも売っているのを見なくなった」

なんて声が聞こえてきそうですね。

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それもそのはず。

かつては日本人のちょっとした贅沢食材だった「和牛肉」が、

ここ5年を見ても3割以上高くなり、

10年で見ると倍の価格になりました!!

 

安くなる気配一切なし!!

 

そんな年々高値を更新し続ける「和牛」ですが、

これから先、価格が落ち着いてまた、庶民のちょっとした贅沢品という日が・・・

 

来ません!!

今の状況を見る限り、

和牛を食べないと逮捕!のような法律でも出来ない限り絶対にありません!

 

その主な原因はザックリ言うと2つです。

 

一つは、

【和牛の希少価値が一気に高まった】

事が原因です。

 

ようするに、数が激減したって事です。

その背景には、牛を繁殖する農家の方の年齢が高齢化し、

その業界の跡継ぎ人が出てこず、

結果仔牛の数が激減し、希少価値が上がったということ。

 

例えば世の中でお肉を扱っているお店全部を足して、

1年間に10000頭が必要ですよー!って言っているのに、

実際には7000頭しかいない状況になっちゃった。

 

肉がなけりゃ商売が成り立たないから、

いつもより高くてもいいから、他の業者に取られる前に買い押さえてしまえ!

って考えるお店がたくさん出てくるから、結果牛の値段が上がります。

 

もちろんエサの原料が高いって言うのも原因のひとつですが、

エサの原料価格の値上がりはせいぜい3%ほどなので、

30%以上の値上がりの原因は仔牛の頭数が大きな原因です。

 

ちなみに、この【仔牛問題】に対して、

業界では少しずつ「何とかしないと!」という風潮は高まっており、

業界の大手などが、市場を正常な状態に戻すように、

仔牛を増やそうと、北海道などに大きな土地を確保し、

仔牛を増やそうと試みてはいるのですが、

経済的に価格が緩和されるほどの頭数になるのはまだまだ先だという予測。

この【仔牛問題】のトンネルはまだまだ長そうです・・・

 

日本がダメなら海外へ!

 

2つ目は、『海外への輸出』です。

 

「Aさんは1000円で買います。Bさんは1500円で買います。あなたはどちらに売りますか?」

こう聞かれると、ほぼ100%の人が「Bさん」に売るでしょう。

 

まさに今の和牛界では、この状況が日本と海外で起こっています。

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2012年より、日本の和牛を世界に広めよう!

というすごく前向きな取り組みが始まり、食肉業界は新たな光が差し込んだように見えました。

 

2020年までには、海外市場規模を当時の5倍に拡大しようというプロジェクトのもと、

日本の食肉卸売企業が中心となって進めてまいりました。

 

その結果、東南アジアや主要ヨーロッパ、中国などにどんどん広がり、

海外での『和牛ブーム』が富裕層を中心に巻き起こりました。

 

各国の既存牛肉に比べ2~5倍ほどの価格で取引される日本の「和牛」は、

まさにお金持ちのステータスにもなりつつあります。

 

すると、売り手側の心情としては、

「少しでも高値で取引させたい」という欲が湧き出てきます。

 

そして、日本企業がタッグを組み、

海外での「価格引き上げロビー活動」が行なわれるようになり、

日本が誇る【KOBE BEEF】(神戸牛)は大人気!

あれよあれよで、1.7倍ほどの価格にまで上がりました。

 

牛肉をいうのは、まず、

  1. 仔牛が産まれる。
  2. 仔牛を約10ヶ月育てた後に
  3. 肥育農家(お肉がおいしくなるように育てる人)が仔牛をセリで買う。
  4. そこで1年半から2年ほど育てられたのちに出荷。
  5. と蓄場でお肉として加工され、格付けされ、価格が決められる。
  6. その枝肉を卸業者が買いつけ、スーパーや小売店、焼肉屋などに売る。

 

簡単にあらわすとお肉の流れはこんな感じ。

 

卸業者が枝肉を買いつけした後に、

国内のスーパーやお肉屋さん、焼肉屋さんに売るってのが今までだったのが、

「海外」って選択肢が増えました。

 

その「海外」が日本よりも高い価格で買ってくれるから、

無理に日本でがんばらなくてもよくね?

っていう流れが徐々に出来上がりつつあるのが現状です。

 

まだまだ海外への輸出量自体はものすごく大きな量ではありませんが、

これまでどおり。いや、これまで以上に

海外での宣伝活動に力を入れ、

販路が拡大し、市場が大きくなれば、

もっと国内の「和牛」のおかれる立場は厳しくなります。

 

人口を見ても、日本はどんどん減っていき、

海外では、ずーっと人口が増え続けているんですから、

単純に考えれば消費量は増えますよね。

 

卸業者からすれば、

「マカオと同じ価格で買えないんだったら、別に無理して買わなくてもいいよ。

マカオで全部売ったらいいだけだから」って具合になり、

海外の価格に日本が合わせるってことになるのが、近い将来です。

 

これから先、一般の日本人(全人口の約90%)の可処分所得は減り続けていくと言われています。

今まで以上に納税額が増え、

今まで以上に生活を切り詰めなくてはいけない時代。

 

そうなれば、いよいよ日本人が『和牛を口にできなくなくなる』

日も、そう遠くはないのかもしれません。

 

これが時代の流れなのかもしれませんが、

日本人としてはさみしいですね。。。

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